Q1.
なぜ、著作権譲渡契約や著作者人格権不行使特約には対応していないのでしょうか?
依頼者の立場としては、イラストの二次利用の際に一々著作者に連絡して許可を取るのは面倒なので著作権ごと譲ってほしいです。
また、いくら著作者でも、弊社が注文して制作したイラストを好き勝手に使ったり、他社の利用を許諾したりはしてほしくありません。
弊社の広報物に著作者名のクレジットを入れるよう要求されても困ります。
A1.
そういうご要望にお応えするため、当方としては独占的利用許諾契約をご提案し、その中でイラストの利用範囲や双方の禁止事項などを予め定めるようにしております。二次利用の自由度を高めるために利用範囲を広く設定すると料金は割高になりますが、著作権譲渡契約よりはまだリーズナブルです。
著作権(著作財産権)は著作者の経済的利益を保護する権利の集合体ですので、丸ごと譲渡するとなれば料金も大幅に膨れ上がりますし、それはお客様にとっても望ましくないことと考えております。
なお、現時点で具体的な二次利用のご予定がない場合には、とりあえず一次利用のみの許諾に留めておいた方が、料金はずっとお安くできます。
Q2.
社内(もしくは自治体)の現在の規則上、著作権譲渡契約が原則となっています。
これを今すぐに変えることは困難なのですが、それでも対応してもらえませんか?
A2.
現時点でどうしても著作権譲渡契約が避けられない場合、
-
- 予め利用範囲を定め、著作権の移転後もその範囲を逸脱しないこと
- 第三者へ著作権の再譲渡はしないこと
- 仕事の実績としてみしまがウェブサイトやSNS、ポートフォリオ等に画像を掲載する自由は残すこと
等々を契約条件に加えて頂ければ、お引き受けできる可能性があります。だだ、著作権を譲渡する以上、料金はどうしても通常より割高になります。
自治体などの非営利事業であれば多少はお安くできますが、企業の営利活動のために著作権譲渡契約を結ぶ場合は非常に高くなってしまいます。
今すぐは無理でも、長期的には貴社内にて契約内容についての方針変更をご検討いただければ幸いです。
Q3.
独占的利用許諾契約と非独占的利用許諾契約はどう違うのですか?
A3.
独占的利用許諾契約とは、著作権者がその利用者以外の者に対し利用の了解を与えてはいけないという義務を負う契約であり、非独占的利用許諾契約は、そのような義務を負わない契約です。独占利用を希望されるお客様が多いですが、以下の場合は、非独占的利用許諾契約をご提案することがあります。
-
- ご予算が厳しい場合
- お客様が独占利用を希望されない場合
- 作画する内容に一定の汎用性があり、他の用途にも活用できそうな場合
具体的には、お客様のご注文で制作したイラストデータを納品後、みしまもその素材をストックサイトでライセンス販売しても差し支えない、とご同意いただくのも非独占的利用許諾契約の一例です。この場合、みしまが継続的な収入を得られる可能性が残る分、最初のご依頼主へのお見積り料金をある程度は抑えられるかもしれません。
ただし、ストック素材は誰でもダウンロードできるため、オーダーメイドの「特別」感はなくなってしまいます。納品後一定期間は独占利用し、その後はストック素材としての販売を認める、という契約もございますが、その場合も、最初のご依頼主の競合企業がそのイラストを偶然ダウンロードして使う可能性も (極めて低いとはいえ) ゼロではないため、企業広告用のイラストにはおすすめできない契約です。
なお、漫画については、その性質上ストック素材にはなり得ませんので、この方法で値引きをすることはできません。
Q4.
競合バッティング制限とは何ですか?ストックイラストとどう関係あるのですか?
A4.
同じ人間が描いた絵は、たとえ全く別の作品であっても「絵柄の印象が似ている」と思われることがあります。ライバル企業が同じ作家のイラストを使うのは、イメージがかぶるので好ましくないと考えるお客様は多く、特に大企業はその傾向が強いです。そのため、企業広告のイラストを描いた作家が競合他社と取引をすることを一定期間禁止する契約を求められることがあります。これが競合バッティング制限です。
一方、ストックイラストは誰でもダウンロードできるシステムですので、ご依頼主の競合他社が偶然みしまの素材をダウンロードして使う可能性も (極めて低いとはいえ) 全くないとは言いきれません。そのため、広告用のイラストに関しては、たとえそれが独占利用を前提に描き下ろす一点ものの作品であっても、普段ストック素材を販売している作家には依頼できないという方針の企業は珍しくないです。(特に気にしない、というお客様もいらっしゃるので会社によって方針は様々です)
ただ、ストックに登録していない絵柄も何種類か残しておりますし、みしまは他のペンネームでも活動しておりますので、
-
- 販売中のストック素材とは異なる絵柄で制作する
- 実績公開の際は別のペンネームを使う
という方法も可能です。必要に応じてご相談ください。